先日予告した通り、「焼きいも」の栄養についてシリーズで書いていきます。
「サツマイモ」と書かずあえて「焼きいも」にしているのは、生のサツマイモと加熱 ―― 特に焼いた場合 ―― では栄養成分が変わることがあるからです。なんて、これをお読みの方はそこまで堅苦しく考えることはないです。
そもそも「栄養」を考えるときって
二つの面があると、私は思っているんですね。一つは、食べ物がどういう栄養成分を持っているかということ。もう一つは、食べ物を取り込んだ人体が栄養成分をどう活かしているのかということ、です。
例えば
サツマイモにはデンプンが多く含まれています。これは体を動かすエネルギー源となります。
という文章があったときに、一つ目の文は、「食べ物がどういう栄養成分を持っているか」の説明で、二つ目の文は「人体が栄養成分をどう活かしているのか」の説明です。
で、野菜とか食材の説明をしている文献やウェブサイトは、「どういう栄養成分を持っているか」の説明が中心です。というか「人体が栄養成分をどう活かしているのか」の話ってあんまり見ない気がします。あってもすごくざっくり「○○にいい」か「○○でわるい」くらいのことしか書いていない……これって自分は結構納得がいかなくて「なんでそうなんだよ」って思っています。
なんで、焼きいもの栄養を考えるとき、成分としてはほとんどが糖質なわけですけど、それが「どう活かされているのか」ということも書けたらいいなと思っております。
手始めに、五大栄養素
これはもう小学校からの理科、または家庭科の話になりますが、食べ物の五大栄養素です。
- 糖質(炭水化物)
- 脂質
- タンパク質
- 無機質(ミネラル)
- ビタミン
が五大栄養素。そのうちの1~3の、糖質、脂質、タンパク質だけで「三大栄養素」と言ったりもしますね。
あと、教科書とか、食品成分表とかで微妙に違うようなんですが、糖質を「炭水化物」といったり、「糖質と食物繊維を合わせて炭水化物」といったり、逆に「炭水化物と食物繊維を合わせて糖質」と言ったりするようです。ややこしい。
「五訂増補日本標準成分表」という、食品の栄養成分を調べ上げた表があるのですが、そこには「サツマイモ(焼きいも)」の栄養成分も掲載されています。
それによると、焼きいも100グラムあたり、炭水化物は39.0グラム、タンパク質は1.4グラム、脂質は0.2グラムだそうです。0.2グラムというと「測定限界未満」なのかなとおもったら、それは別の表記になっているので、本当に脂質も含まれているのですね。
ミネラルとビタミンについては、さらに細かくあるので、後ほど別記事で紹介する予定です。
そして、これを読んで気がついたのですが「三大栄養素」にしろ「五大栄養素」にしろ、実は「水分」が入らないんですね。ちなみに焼きいもの「水分」は100グラムあたり、58.1グラムだそうです。水分多い。
興味のある方は、文部科学省のサイトにもとの表があるので、ご参照ください。
今回の記事のまとめ
- 栄養を考えるときは、食品に含まれる栄養素と、それが人体でどういう働きをするのかについて(私は)知っていたい
- 焼きいもには五大栄養素がすべて含まれている
- 焼きいもに含まれる五大栄養素の中で一番多いのは炭水化物(糖質)で100グラム中39.0グラム
- 炭水化物から比べたらとても少ないが、焼きいもにはタンパク質と脂質も含まれている。
- 焼きいもだが、水分は100グラム中58.1グラムあり結構多い
というわけで、次回はこの糖質(炭水化物)についてお届けする予定です。