以前、当店でべにはるかのつぼ焼きいもを買われてお召し上がりになった方からこんなコメントをいただきました。
これ、子供の頃食べた『アメリカいも』みたいだね。
「アメリカいも」というものをその時初めて聞いたので、「そうですか」とお返事をして終わったのですが、その後気になったので調べてみました。
アメリカいもとは
「アメリカいも」というのは「七福」という品種の別名です。
なぜこの名前がついたのかというと「明治時代にアメリカから導入されたこと」が理由と推察されます。
ちなみに、皮の色が白いことから「白いも」と呼ばれることもあります。
かつては西日本を中心に人気の品種だったようで、先ほどのお客様が子供の頃はよく栽培されていたかもしれませんね。
アメリカいもの味
実は、私も一度この七福の焼き芋を食べてみたことがあるのです。
かつて銀座三越の地下にあった「カドー ドゥ チャイモン(cadeau de CHAIMON)」という焼き芋屋さんを訪れたときにたまたま販売していまして、入手できたのです。
余談ですが、この焼き芋を購入したときは自分が焼きいも屋であることは伏せ「焼き芋好きのおじさん」として振る舞って色々聞いちゃいました。
さて、その七福の焼き芋ですが、皮も中身も白っぽい色で、食感は柔らかめ。確かに粘り気もあったと記憶しています。そして甘みもたっぷりあって、とても美味しかったです。
そして、以前お客様が「べにはるか」を食べて「アメリカいも」を思い出した件ですが、確かに甘みや食感で思い出すかもしれないな、という感じでした。
この「七福」ですが、現在も愛媛県新居浜市で栽培されています。ふるさと納税の返礼品になっていたり、通信販売でも生芋を購入することができるそうですよ。
新居浜市のホームページによれば七福は「幻のさつまいも」ともいわれているようです。当時自分が食べられたのはかなりの幸運でした。
参考資料
新居浜市のホームページ
https://www.city.niihama.lg.jp/soshiki/kankou/shichifukuimo.html
日本いも類研究会によるさつまいも品種詳説(暫定版)
https://www.jrt.gr.jp/var_s/index_spv.html