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雄鶏(おんどり)が旅立った

農ライフ

我が家では鶏を飼っています。卵を販売している町内の養鶏家さんから、4年半前に譲ってもらったものです。

卵を産ませる養鶏では、雌鶏(めんどり)は1年くらい卵を産ませた後にお役御免になります。これを廃鶏といいますが、我が家で譲ってもらったのはこの廃鶏にするものです。

ちなみに、鶏は1年で卵を産まなくなるわけではありません。ただ、産んだ卵のサイズが大きくなり過ぎて、商品にはならないのだそうです。

当時は雌鶏10羽に雄鶏を1羽を「これはサービス」と言って譲ってもらいました。雄鶏がいると、卵は有精卵になりますからね。

そして鳥小屋を作って飼い始めて、脱走されたり、脱走されて帰ってこなくなったりなどして、少しずつ雌鶏の数は減っていきました。

山間の集落から現在の街中に引っ越すときも、迷ったのですが生き残った鶏は結局連れてきました。

毎朝大声で「コケコッコー」と鳴いているのが近隣の方にご迷惑ではないかと思っていましたが、幸いなことに苦情はありませんでした(隣近所の方には「うるさくないですか?」と確認しました)

そんなこんなで、引っ越して半年たったのですが、何日か前から雄鶏の様子がおかしくなりました。最近は毎日妻と娘が餌やりをしていたので私は気がつかなかったのですが、トサカがぐにゃっと倒れて、歩くのもままならない感じだったそうです。

そして昨日、雄鶏は旅立ちました。

前日の夕方、伏せるようにしてうずくまっていたのですが、そのまま逝ってしまったようです。

夏の暑さに耐えられなかったのか、餌や水が良く無かったのか、はたまた天寿を全うしたのか、わかりません。

上に書いたように、これまで雌鶏は何羽も居なくなってますし、自分で締めたこともありますが、雄鶏がいなくなると、ずいぶんと静かになるものだなと思います。

雄鶏の亡骸は庭に穴を掘って埋葬しました。

生きているものは、必ず死を迎えます。鶏は趣味と実益を兼ねながら養っていますが、自分の手で最期の始末までできて、良かったなと思っています。

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