「焼きいも」の栄養についてシリーズで書いています。今日も「糖質」について続きです。
グルコースの話ばっかりのワケ
これまで、グルコース(ブドウ糖)がどういう物質なのか、また「グルコースがつながっていくとデンプンになる」という話を書いてきました。
なぜこんなにしつこくグルコースとデンプンの話を書いているかというと、二つ理由があります:
- サツマイモにたくさん含まれているから
- 人間のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の原料になるから
余談ですが、二番目の理由に書いた「ATP」というのを見ると、私は高校一年生の時の生物の授業を思い出します。グルコースがATPに変化していく過程に「解糖系」、「TCA回路」、「電子伝達系」というのがあるそうなんですが、当時の私はこれがサッパリ理解できず、軽くトラウマになっているくらいです。いまでも若干拒否反応が出てますので、ここの話は触れません。
ま、とにかく「グルコースはエネルギー源になる」ということは重要です。ちなみに、ここで言うエネルギーとは、熱エネルギーのことです。
ただ、サツマイモには「スクロース(蔗糖)」「マルトース(麦芽糖)」「フルクトース(果糖)」も含まれていると書きました。これらも体内で、最終的にはグルコースになります。
- スクロースは十二指腸、小腸でグルコースとフルクトースに分解される
- マルトースは小腸でグルコース二つに分解される
- フルクトースは肝臓でグルコースに変換される
フルクトースが肝臓でグルコースに変換される過程は結構複雑ですが、スクロースとマルトースの分解は割と簡単なので、後ほど触れたいと思います。
消化吸収される糖質と、吸収されない糖質
さて、糖質、特にデンプンは体内で分解されてグルコースになり、エネルギー源になります。一方、同じ糖質でありながら、グルコースに分解されないものもあります。
この、体内で分解されない多糖類を「食物繊維」といいます。食物繊維は教科書によると
ヒトの消化酵素によって消化されない食品中の難消化性成分
ということになっていて、糖質以外にも「食物繊維」のカテゴリーに入る物質があります。
一部のオリゴ糖も人の消化酵素では消化されませんが、これは「食物繊維」のカテゴリーに入れないそうです。
サツマイモにはこの「食物繊維」も豊富に含まれています。「あ、いもの『しっぽ』のところでしょ!」と思われた方へ、確かにしっぽの部分には「すじ」がありますよね。あの筋は「リグニン」という物質で、これも食物繊維のカテゴリーに入る物質です。
……ちょっと長くなってきたので、今日はここまでにします。最後までお読みくださいまして。ありがとうございました