当店で、つぼ焼きいもにするサツマイモの品種を紹介しています。また、当店では扱っていないのですが、食べたことのある品種も紹介します。
ネットリ系
最近人気上昇中の品種で、当店でも主力商品になっています。というのも、つぼ焼きいもにしたときにいろいろ良い点があるのです。その名の通りネットリとした食感で「粘質(ねんしつ)」とも呼ばれています。
安納いも
最近は「甘い焼きいも」の代名詞ともいっても良いくらい、有名になりました。
鹿児島県の種子島にある安納地区で見つかったものを育成したもので、平成25年までは種子島以外で栽培されたものは「安納芋」と名乗ってはいけないことになっていました。
薄くピンクがかった皮と、濃いオレンジの中身が特徴です。これも貯蔵することで甘みが増します。掘りたては少し水っぽい感じがします。
お客様の感想として「濃厚」という言葉をいただいたくらい、熟成された安納芋は甘いです。店主が食べた感想としては、柿のような印象があります。
べにはるか
これは宮崎県で生まれた品種です。都城市にある九州沖縄農業研究センターで、「九州121号」と「春こがね」という品種を交配して育成されました。
今までのサツマイモに比べて、形や味が「はるかに」優れているという意味合いを込めて「べにはるか」と名付けられたそうです。
大分県のJAでは「甘太(かんた)くん」、茨城県の「ポテトかいつか」では「紅天使」、そして宮崎県の「くしまアオイファーム」では「葵はるか」というブランドネームをつけて販売されていますが、どれも品種としては「べにはるか」のことです。
べにはるかは掘りあげた直後は粉っぽい食感になりますが、貯蔵をする間にデンプンが糖に変わり、ねっとりとした食感になり甘みも増します。
糖化が進んだべにはるかは、焼くと柔らかく、細長いものだと壷の中で折れてしまうことがあるくらいです。そして、焼き上がりを一日寝かせると中が飴色になり、蜜をまとって艶が出てきます。
ただ、ものによっては緑がかった色になったり、筋っぽくなるものもあります。緑っぽい色の物も安全性に問題はないのですが、甘みが弱くなります。
あるお客様から「これは『アメリカいも』ではないですか?」と聞かれたことがあるのですが、別の品種です。
七福(しちふく)
当店では焼いていないのですが、2015年に銀座のcadeau de CHAIMON(キャドゥ ド チャイモン)で購入して食べたことがあります。
※チャイモンは、日本一高級な焼きいも店として知られていましたが、閉店してしまったようですね。
さて、何を隠そうこれが「アメリカいも」です。
明治33年にアメリカから導入されて、九州・四国・瀬戸内で良く栽培されていたそうです。私が食べたのも愛媛産でした。
皮も中身も白っぽく、食べてみたところ白あんのような甘さでした。食感も柔らかくて粘り気があり「もちもち」だったと、当時の実食メモには書いてあります。
と、いうことで、今日は以上です。
七福は育ててみたい品種です。どっかに苗ないかなあ。