「焼きいも」の栄養についてシリーズで書いています。今日も「糖質」について続きにになります。
前回の復習
前回は言葉だけで書いたのですが、あらためて焼きいもに含まれる糖質について、「単糖」、「オリゴ糖(少糖)」、「多糖」で分類してみました。
いままでの回で、「グルコース」「フルクトース」「マルトース」「スクロース」「デンプン」については(名前だけでも)登場していますが、この表で初めて出てきた言葉に「アミロース」「アミロペクチン」、そして「食物繊維」があります。
「食物繊維」はご存知の方も多いと思いますが、これも「多糖」に分類されます。ただ、食物繊維は人体で消化吸収されません。
なお、このブログでは「焼きいも」に特化しているので、ほかにもたくさんある「糖」についてはスルーしてます。
甘さ比べ
上にあげている表で、デンプンと食物繊維は甘みを感じません。残りの単糖、オリゴ糖には甘みがあります。
四つあがっている糖で一番甘いのが「フルクトース(果糖)」です。次に「スクロース(蔗糖)」、「グルコース(ブドウ糖)」、「マルトース(麦芽糖)」と続きます。
「精糖工業会」というところで、甘味度(どれくらい甘いか)をまとめている表を出しています。スクロースを基準(1.00)にすると、フルクトースは1.2~1.5、グルコースは0.6~0.7、マルトースは0.35~0.4となっています。
サツマイモは品種によってこの四種類の糖の含有量が違います。四種類が全体的に多い品種の方が甘いですし、またスクロースやグルコースの割合が多い品種は甘みが強くなります。
デンプンには二種類ある
さて、デンプンですが、実は二種類あります。これはグルコースのつながり方が違うのです。
デンプンというのはグルコースが沢山つながってできていると前回書きました。グルコースのつながり方が一直線の鎖状になっているのが「スクロース」、途中でいくつも枝分かれしているのが「アミロペクチン」です。
サツマイモのデンプンはアミロースが17%~19%、アミロペクチンが81%~83%で構成されているそうです。
さてここまでの説明では、「グルコース」という単体の糖が合体してマルトースやデンプンができる、という流れでした。
ただ、人間社会で起きていることは、デンプンからグルコースを作る、という順序になっています。どういう意味かというと、「デンプンを分解する」という方法で、グルコースを作るのです。
前回は「グルコースが合体するときに水がぬける」これを脱水縮合という、と書きましたが、逆の化学反応でデンプンを分解するんですね。デンプンを分解する化学反応を「加水(かすい)分解」と言います。脱水の反対なので「加水」なんですね。
この「デンプンの化学反応」というのもなかなか興味深いので、次回以降振れていきたいと思います。
まとめ
- 糖質は「単糖」「オリゴ糖」「多糖」で分類できる。
- 食物繊維は「多糖」の一種である
- デンプンには、グルコースのつながり方で「アミロース」と「アミロペクチン」という二種類の形態をとる
最後までお読みくださいましてありがとうございました。