私は「ほめる焼きいも農家」ということで、畑でサツマイモを育てるところから手がけています。
シリーズでつぼ焼きいもの作り方を書いていきますが、今日は「栽培管理」についてです。
実はそれほどたいした内容はありません
栽培管理といっても、サツマイモの場合は追肥は基本的にしません(元肥えだけです)し、やることと言ったら、畝の間の草取りと、蔓剥がしという作業くらいです。
先に「蔓剥がし」のことを書いておきます。
サツマイモは蔓をどんどん伸ばしていくことで、葉が増え、光合成量が多くなります。光合成されたデンプンがイモを大きくしていくのです。
この蔓は、苗と同じで葉の根元から白いひげ根を出します。このひげ根が地面に根付くとそれが成長して新しいイモができます。
そうすると、新しいイモにもデンプンが行くことになりますから、結果としてもともと植えていた部分にできるイモの大きさが小さくなってしまいます。
しかも、あとからできてくるイモは生育期間が短くなりますから大きくなりませんし、畝の間にできるので収穫されることもありません。
※気がつけば拾いますけども、小さいので焼きいもにはなりません。
というわけで、この伸びた蔓からイモができないように、栽培期間中に一回くらい、蔓を地面から引きはがすことをします。これが「蔓剥がし」です。
畝の間に立って蔓を一本づつ引きはがしていくわけですが、自分が立っている左右両側の畝から蔓は伸びてきていますし、絡み合ったりもしてますのでうまくしないと途中で切れたりします……
なーんて、これは丁寧にやっている農家さんの話。
大規模にやっているところで蔓剥がしはしてないんじゃないかと思います。
※確認はしてません
そして、私も蔓剥がしはしないんですが、それどころじゃなくしていることがあります。
私にとって、農業とは
私にとって、農業とは「草刈りor草取り」です。
もうしょっちゅう草取りか草刈りです。
畝の間にサツマイモの蔓が伸びるよりも早く、メヒシバをはじめとする雑草が伸びます。
※「雑草なんて草は無い」と言われたお方がいらっしゃいましたが、釣りで狙った魚以外を「雑魚」と呼ぶなら、育てていない草は「雑草」です。
「除草剤を使う」以外の色々な手段で対策をしています。
テデトール
除草剤みたいな名前ですが、これは農家仲間で面白がって付けた名前。要は「草むしり」です。地面にはいつくばって、指でつまんで抜いてきます。
うっかりサツマイモの苗も一緒に引っこ抜くことがあります。
カリトール
これも「テデトール」と同様、農家仲間で面白がって付けた名前。これは草刈りです。
草刈り機を使ったり、鎌で刈っていったりします。
草刈り機を使う時は、マルチシートをうっかり切ってしまうことがあります。切れて空いた穴からまたメヒシバが芽を出します。
鎌で刈るのはマルチを切る心配も少なく確実なんですが、時間がかかります。最初から最後まで何日もかかり、最後まで刈り切ったとおもったら、最初の方がもう伸びていた、なんてことは普通です。
中耕(ちゅうこう)
これは畝の間を耕運機で耕すことです。雑草が芽吹いたくらいだと有効なんですが、ある程度伸びてきますと耕運機の爪に草が絡んできて使えなくなります。
毎年、ひたすら草刈り・草取りをしていますが、結局雑草の藪の中にサツマイモの蔓が埋まってしまいます。そのたびに、自分の無力さというか、ダメさ加減を思い知らされます。
ちなみに、普通の農家さんは
除草剤を使います。雑草が生えずサツマイモの蔓が生い茂った畑はみていて気持ちがいいですし、自分の畑もそれを目指しているのですが、うまくいきません……
作物周りだけじゃない
畑全体を囲っている防獣柵があるのですが、それにも蔓草(葛、ヤブガラシ、アレチウリ、カラスウリなど)が絡んでます。これも鎌を使ったり、はさみを使ったりしてとっていきますが、作業としては負荷が大きいです。
……というわけで、夏の間はひたすら草とり、そして毎年負けて臍(ほぞ)を噛んでます。
書いててだんだん落ち込んできたので(苦笑)今日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。