私が製造・販売しているのは、つぼ焼きいもです。
つぼ焼きいもは「古くて新しい」焼きいもです。
というのも、私が販売していて、訪れるお客様がつぼを見たときの反応が見事に別れるんです。
ひとつは「こんなの見たことがない、初めてみた」というもの。
もうひとつは「わぁ、これ懐かしい」というものです。
[ad#co-1]つぼ焼きいもは関東大震災後から戦中にかけて主流だった焼き方でした。「ゲゲゲの鬼太郎」の作者の水木しげる先生も、幼少期につぼ焼きいもを食べていたことを著書「コミック昭和史」で書いています。
戦後になって「石焼きいもの引き売り」というのが始まると、焼きいもの主役はつぼ焼きから石焼きに交代していきました。
ただ、つぼ焼きいもは絶滅することなく細々と残り、最近はあえてつぼ焼きいもにこだわる、というひとも現われています。私もその一人です。
というわけで、ご年配の方は「懐かしい」といって、若い方は「初めて見た」という反応になります。