杉山経昌さんの本を読んだ私は
- 「直売にこだわる」
- 「栽培技術に科学的観点を持つ」
- 「情報発信をする」
という三点の工夫で、農業は可能性のあるビジネスとして展開できることを知ました。
そこで、「綾町で農業を始めるぜ!」と移住をはたしました。
ところが……
この後に迷走が始まります。
なかなか、農業を始められなかったのです。
具体的には、「何を作ってどう売るのか」の具体案がまったくなかった。
直販、って簡単に言いますが販路の拡げ方もわからなかったし、
そもそも売り物である、作物は何一つ作ったことがない。
滅茶苦茶ですね……(苦笑)
ご縁があって移住直後から私は「自分の畑」というのを借りることができ
ナス、ピーマン、オクラ、ポップコーン、サツマイモ、サトイモ、インゲン豆、ミニトマト、ゴマ、ゴボウ、カボチャ
と、あまり計画性もなく植えて、案の定雑草に埋まってしまったり、
(幸いにして成った)ナス、ピーマン、オクラもなぜか直売所に持っていくのに心理的抵抗を感じて、ロクに売ることもせず……
とにかく「動けない、動かない」ままでいたのでした。
二年目はさらにひどく、
せっかく借りた畑を草ぼうぼうにして地主さんから「もう無理でしょ」と言われて返すことになる始末。
今思い出して書いてみても「これは、ひどい」とかなり暗い気分になれます(苦笑)
そんな中、妻が「『つぼ焼きいも』っていうのがあるけど、興味ない?」と言ってきた。
これを聞いて即決断! みたいな感じだとかっこいいですよね!
ところが、
「んー、まあちょっと調べてみてもいいかな」くらいの変にクールな感じが、
当時の自分の態度でした。
ただ、この話を聴いた時に実は私には、一つ思い浮かんでいた記事がありました。
それは日経ビジネスオンラインに掲載されていた、とある石焼きいも屋さんの話でした。
もともとプログラマーだった男性はいろいろな事業に一度は成功しますが、経営していた飲食店を倒産させてしまいます。
借金を抱えて始めたのが軽トラで流す「石焼きいも」屋さんだったのです。
この記事で私が注目したのは
「半年は焼き芋を売り、半年はプログラマー」というところでした。
記事に書いてあった当時は、焼き芋だけで一年分の収入は十分得られており、プログラマーの仕事はほとんど収入になっていなかった、とのこと。
「焼きいも屋さんってそんなに儲かるんだ……」
そこで、私が考えたのが
「半年はサツマイモの生産、半年は焼き芋を売る」
ということでした。
(なお、この「日経ビジネス」の記事は、
「世界は仕事で満ちている」という本になっています)