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車椅子・杖

入院中の話

今日は入院中の相棒だった、車椅子と杖の話をします。

車椅子

私は一度目の入院から一週間の間は、ベッドから移動することができませんでした(ベッド上安静)。入院して8日目の3月13日、初めて車椅子に乗って移動して良いことになり、理学療法士のU先生が夕方やってきて、乗り方の指導をしてくださいました。リハビリテーションの第一歩だったんですね。

「車椅子の乗り方なんて、教えてもらう必要ある?」とお思いかもしれませんが、こんな理由からでした:

  • 当時の私の右足には鉄骨が刺さってまして(閲覧注意です:見たい方はこちらをクリック)、体重をかけることは当然禁止、この鉄骨をどこかにぶつけるのもご法度
  • 車椅子も、右足の方は膝を曲げずに乗るように、板がついていた(二回目の手術後、この板はなくなった)

乗り方は次の通りです:(1)右側の手すりを跳ね上げ、(2)左足を床につけて、(3)両腕と左足で体重を支えながらお尻をベッドから車椅子にスライドさせます(降り方はこの逆です)。

車椅子に乗って何が嬉しかったかというと、トイレに行けることになったことです。始めは看護師さんについてもらい、トイレの中でおむつを外したり、病衣をめくってもらったり、終わった後もまたおむつを付け直してもらったりと、介助が必要でしたが、それでもベッドの上で「差し込み便座」を使ってするよりはよっぽど良かったです。

そして少しずつ、自分で動ける範囲が増えていきました。月曜日から金曜日はリハビリテーションが1階のリハビリテーションセンターであったのですが、はじめはエイド(看護補助員)さんに押してもらって、4月からは自力で車椅子をこいで、6階にある病室から通っていました。売店に行ってちょっとしたお菓子を買って、1階の廊下で中庭を眺めながら食べたりするのが楽しみになりました。

車椅子は怪我をしてから62日間、5月7日まで使っていました。ただ、こんなに長い間相棒にしていたのに、写真がほとんど残ってません。いまにして思うと、なんで撮らなかったんだろうと思いますが、それくらい「体の一部」になっていたんでしょうね。

松葉杖

松葉杖を使い始めたのは4月26日でした。始めは二本で、一週間後には一本で歩くようになります。

今から20年前、私は両足を捻挫するというちょっと変わった怪我をしまして、その時に松葉杖をちょっとだけ借りたのですが、使い方も良く教えてもらいませんでした。この時の捻挫は、今回の怪我の伏線になっていたのかもしれません。

今回のリハビリで知りましたが、松葉杖というのは、手で握るところで身体を支えるものです。腋の下はあくまで動かすときの支点で、ここで体重は支えてはならないそうです。松葉杖を使う前から、平行棒の中に立って両腕で体重を支えるという運動をしていたのですが、ある程度腕の力がないと松葉杖が使えないんですね。

松葉杖での歩行練習は、土日も入院病棟内で「自主トレ」をしました。それまでずっと車椅子で座っている目線でしたが、立ってみると天井がとても低く感じました。看護師さん達からも「成田さんって背が高かったんですね」と驚かれました。

そして、もう一つ知ったのですが、松葉杖一本で歩くときは、体のどちら側に持つか?

私の場合は左側、つまり「けがをしていない」側に持つのです。歩くときは、けがをしている右足と同時に、松葉杖を出します。慣れればなんてことないですが、先入観もあってはじめはおぼつかなかったです。

松葉杖を使っている間に、日帰りで一時帰宅をしました。病院内では自由自在な感じで動いていましたが、いざ外に出ると、ちょっとした段差や、歩道が斜めになっている(車を乗り入れるためにスロープになっている)ところが怖くて、「バリアフリーってありがたいな」と思いました。

一時帰宅した時に撮ってもらいました

松葉杖の期間は意外と短く、二週間足らずでした。

一本杖

一回目の入院の最後の二週間は、一本杖でした。これも片松葉杖と同じく「けがをしていない側」つまり左手に持ちます。この杖を持てるのは、右足に体重を全部かけられる状態になってからです。一見頼りないのですが、あると無いとでは歩きやすさが全然違います。ある方が断然楽なのです。

病院でリハビリに使っていた一本杖。定価は5,000円くらいします。

ただ、あまりこれに頼ってしまうと「歩き方に癖がつくのでいつまでも持たないように」とU先生からは注意を受けました。この杖を使う・使わないというのは、お医者さんの判断(※実は見解の相違があった)もあるのですが、「自分で歩けるな」と思ったら外してもよいもののようです。

私の場合、二回目の入院で退院するまでは使ってました。杖無しでも歩ける状態ではあったのですが、杖をもって歩いていると「この人は怪我をしている」ということを周りの人が気づいてくれる蓋然性が高まります。ある種「お守り」だったのです。

入院していた病院でリハビリを受けていた間は、病院にある杖を借りられますが、退院時には自分で購入します。最初「紳士が持つ感じの」というのを探したりしてたのですが、結局amazonで人気になっていたものを買いました。ドイツ製で、病院で使っていた日本製の物よりも重たいのですが、デザインはカッコ良いです。

入院して、リハビリして初めて知る世界

車椅子にしても、杖にしても、いざ使ってみて初めて「こんなに便利なものなのか」、あるいは「こうやって使うものなのか」と知りました。そして、これを使っている人には、相応の理由があって、自分自身も見かけたら配慮を持てるくらい、心に余裕を持っていようと思いました。

杖に関しては、この先30年後くらいにはまたお世話になるのかもしれません。大切にとっておこうと思います。

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