入院しているときって、正直「ヒマ」ですよね……
今日は、テレビとラジオの話です
有料のテレビ
今はどの病院にもあるのでしょうけど、私の入院していた病院にも、テレビは一人一台用意されていました。17型(? って最近言うのかな)の液晶テレビと、カード読み込み機が、可動式の台の上に載っています。アンテナ線は各ベッド付近の壁から端子が出ていて、そこにつなぎます。
テレビは有料で、1000円のテレビカードを、エレベーターホールにある販売機で購入します。1000円で、46時間くらい観られたようです……なんで中途半端時間数かというと、以前は1000円で50時間だったのが、消費税増税の際に、その分の時間を削ることで対応したようですね。なお、このテレビカードは、使い切る前に退院するときには払い戻しができます。払い戻しは1階の売店前にある専用の機械でします。
また、音漏れしないようにイヤホンをつけて観ることになりますが、このイヤホンは自前で用意です。エレベーターホールの自販機で、400円で買えます。
このテレビはケーブルテレビになっていまして、地上波のみならず、BS、CS放送も楽しめたようです。地上波も、4チャンネル(NHK,Eテレ,MRT,UMK)ではなく、鹿児島県の放送局も入ります。普段ケーブルテレビに加入していない人にとっては、とても充実したチャンネル数だったのではないでしょうか。
……って、なんか歯切れの悪い感じの語尾なんですが、実は私はテレビをほぼ観てません。リハビリ室でエイドさんの迎え(車椅子をおして連れ帰ってくださる)を待つ間くらいです。リハビリ室のテレビで吉本新喜劇を放送しているのを知りました。
私のようにテレビを観ない人というのは珍しいみたいです。私以外では、二回目の入院の時に隣のベッドにいた方はテレビを観てなかった気がします。
無料だけどほとんど聴けないラジオ
テレビと違い、ラジオは聴き放題、無料です……一応
これも、各ベッド付近の壁から、チャンネルを選択できるロータリースイッチ、ボリューム、イヤホンジャックがついています。
チャンネルは4つ。NHK 第1、第2、MRTラジオ、NHK-FMが選択できます。JOY-FM、宮崎サンシャインFMは聴けません。多分、開局する前に病院ができたんでしょうね。
また、イヤホンジャックが曲者でして、一応3.5mmというごく普通の(おそらくモノラルの)大きさなのですが、私が持っていたステレオのイヤホンを差し込むと、中のばねで押し返されて、しっかりはまってくれません。モノラルのイヤホンだったら大丈夫なのかなあ? 指で押さえながら聞いてみますと、NHK 第1、第2はかろうじて聞こえました。MRTラジオとNHK-FMを選択しても、雑音だけでほぼ何も聞こえません。ボリュームを最大にしてもこんな感じなので、ちょっと残念でしたが、「昔はこれが楽しみだったんだろうな」と思いを馳せる(←暇なので)のには役に立ちました。
自分で持ち込んだラジオ
どうしてもラジオを聴きたかったので、自宅にあるラジオを持ってきてもらおうと頼んだのですが、AM専用しかなかったという事で、amazonで注文して持ってきてもらいました。
購入したのはPanasonicのRF-P55-Sという型番のラジオです。
ワイドFMにも対応していますし、電池とイヤホンまで付属していたのですぐに聴けます。ただ、付属イヤホンは音質が正直いまいちだったので前から持っていたステレオのイヤホンで聴きました。このラジオはステレオ対応ではなく、ステレオのイヤホンを刺すと左側だけ音声が流れてきます。
実は、ステレオに対応しているSONY製品にしようかと思ったのですが、ちょうどその時、松下幸之助さんの伝記を読んでたのもあってPanasonic製品にしたのでした。結果、やっぱり両耳で聴けるやつが良かったなあ、とちょっとだけ後悔しましたが、これは本当に重宝しました。このラジオは付属していた電池で50時間聴けると説明書にあったのですが、使い切るまで聴いて売店で電池を買い直しました。
入院中、何日か本当に眠れない夜があって、何十年かぶりに深夜ラジオもリアルタイムで聴きました。「オードリーは若林さんが面白い」という事を知ったのも入院中に聴いた「オールナイトニッポン」のおかげです。
iPhoneでも聴いていた
そして、ラジオはiPhoneでも聴いていました。
私はradiko.jpというソフトのプレミアム会員(月額350円+税)でして、全国のラジオを聴くことができます。宮崎ではAMが三局(NHK2局とMRT)、FMが三局(NHK、JOY-FM、宮崎サンシャインFM)聴けるのですが、関東や関西のラジオ局で聴きたい番組も結構あって、有料会員になっています。
だったらPanasonicのラジオは不要と思われるかもしれませんが、radikoを聴くとパケット代が別途かかります。私は格安simのごく少ない容量のプランにしていたので、できるだけパケットは節約したかったのです。実際、契約の限度を超えたらradikoもブツブツになってとても聴けるものではありませんでした。
ちなみに、YouTubeといった動画メディアはパケット節約のため一切見ませんでした。
ラジオの良いところ
入院中、ほとんどの方がテレビを観ているのに、なぜ私はテレビは観ずにラジオを聴いていたのでしょうか。いくつか理由があります。
ながら聞きができる
私は自宅でも、畑でもよくラジオを聴いています。ラジオは聴覚だけのメディアですので、他のことをしながら情報を入れることができるのが一番のメリットです。特に手仕事をしているときに音楽や人の声が流れてくるというのが、適度な刺激になるんです。
病院にいる間は、ベッドで筋トレもどきをしたり、裁縫をするとき、寝る前に良く聴いていました。
ただ、本を読んだり、ブログを書くと内容がほとんど入ってこなかったり、逆に邪魔になることもあります。
情報量が少ない
ラジオは聴覚だけのメディアですから、テレビと比べて情報量が圧倒的に少なくなります。そのため「疲れにくい」のです。
これはもろ刃の剣といいますか、伝えられることが圧倒的に多いテレビには、メリットも沢山あります。例えば見たことのない動物の姿は、言葉で説明しても説明しきれません。画像で見せれば一瞬ですけどね。あるいは、誰かが何か面白い動作や表情をしたとして、ラジオはそこまでは伝えきれません。
ただ、それが良いんです。特にテレビのニュースは筆舌に尽くしがたい内容を一瞬で見せてしまいます。しかも繰り返し。入院中だったら、きっと刺激が強すぎたでしょう。
私は入院中、あえて情報を制限しようとしました。これは佐藤優さんの本を読んだからなのですが、自分で動けない状況下で情報だけたくさん入ってくると「気をもむ」つまり無駄に精神力を使ってしまうのです。
そんなこともあって、ラジオでは情報をそぎ落とされることが良いと思っています。
想像力を使う
上に書いたように、ラジオでは情報量が減ります、それに対して脳はその情報を補おうと想像力を働かせ始めます。
例えば、先ほどの「見たことのない動物」を何とか伝えようとするとき、ラジオのしゃべり手の方は、その持てる語彙を駆使して説明をしようと試みます。それを聴いて、色や大きさ、「なんとかという動物に似ている」といったような情報をもとに、見たことのない動物の姿を想像します。
ここで、その「想像した動物の姿が実在するものと合っているかどうか」という、いわゆる答え合わせはまた別問題です。想像していた姿とまったく違う姿が正解なことは当然あるでしょう。正確性を求めるのならテレビに軍配が上がります。大事なのは耳から入ってきた情報をもとに、頭の中でどれだけ姿を作ることができるのか、という事なのです。
想像力を養うという点で、私はラジオにだいぶ助けてもらっているなと思っています。
出演者との距離が近い
テレビと比べて、圧倒的に出演者との距離が近いメディアだと思います。具体的に言うと、お便りを送ったとき読んでもらえる確率が高いのです。特に地元のラジオ局(宮崎ならMRTラジオやJOY-FM、宮崎サンシャインFM)では読んでもらえることが多いです。
実は、入院中とある番組にメールを送ったところ、番組内で読んでいただけました。これはとても嬉しく、元気をもらいました。
なんか熱くなってしまいましたが
ちょうどいい機会だと思ったので、入院の話から離れて、ラジオについて自分の考えを書いてみました。
なお、テレビ自体を否定するつもりはありません。私は自宅にテレビがないんですが、TVerのように、インターネットで見られるテレビ番組も楽しんでいます。ちなみにお気に入りは「激レアさん」です。