私は「つぼ焼きいも」の味、おいしさをどうにか文章にして伝えたいと日々修行をしているわけですが……
その「美味しさ」というのはどこにあるのでしょうか? というのが今日のお話です。
味覚の要素
焼き芋に限らず、食べ物の「味」に関係ある要素にはこんなものが挙げられます。
- 匂い
- 食感(硬さ、粘り気、歯ごたえ、ざらつき)
- 味(甘味、塩気、辛味、酸味、苦味、旨味)
焼きいもの場合、匂いと食感、そして味の場合は特に甘味と旨みがメインになります。
さて、いまこのブログを読んでいるあなたは、焼きいもの「食感」と言われるとどんな言葉を想像しますか?
やっぱり一番は「ほくほく」でしょうか。直売所に行ってもサツマイモにはたいてい「ほくほく」書いたPOPが付けられています。
違うんだけどな……
ご存知かと思いますが、最近は「ほくほく」の焼きいもの人気がちょっと落ちています。
昔は焼きいもといえば「ほくほく」でした。
もりのね・綾で販売している(通販もしています)サツマイモの品種のうち、「宮崎紅」は典型的な「ほくほく」の食感です。
業界用語で「粉質」といっています。
「ほくほく」の焼きいもは冷めてくるとすこし「もそもそ」とした食感になります。
ほくほくのサツマイモは「宮崎紅」やその兄弟の品種「○○金時」、そして「紅あずま」「黄金千貫(こがねせんがん)」がメジャーな品種です。
そして今大人気なのが「ねっとり」という食感のサツマイモ、業界用語では「粘質」と言われるものです。
「紅はるか」や「安納芋」というのは粘質の品種。
糖分が高く、甘さもとても強いです。焼き立てでもネットリしていますが、冷めてくるとその粘り気はさらに増して、水あめ、羊羹のような感じになります。
さらにもう一つ、新しい食感として「柔らか」というのがあります。これはホクホクとネットリの中間。
噛むと歯ごたえは少ないのですが、ネットリするのとも違い「柔らか」という表現になります。
なお、「柔らか」には「粉質」「粘質」というような業界用語はない模様です。
「紅まさり」「シルクスイート」「クイックスイート」が「柔らか」の品種です。冷めてくると焼き立てから比べて粘りが出てきます。
この「柔らか」の品種も、焼きいもとしては人気がありますね。