今日は朝のうちはそれほど冷え込みませんでしたが、日差しがなかったせいか昼間の方が寒く感じるくらいでした。
そんな日のカップルは、どんな会話をするのでしょうか？
デキル男「甲賀拓実」さんと、拓実の恋人「綾 宏子」さんの会話をちょっと盗み聞きしてみましょう……
「あー今日は寒いな」
「タクミ、今日は二人で温め合いましょ♡」
「いや、オマエの話聞くと余計寒くなるよ」
「えーなんで？！」
「読者はこれからわかるよ」
Part1
「みろよ、あそこに焼きいも屋があるぞ♪」
「ひろ子焼きいも大好き♡」
「『もりのね・綾』って看板に書いてあるぜ」
「あ、ひろ子『もりのね』知ってるよ♪ 私映画好きだもん、ニューシネマパラダイスの音楽よね！」
「それは
エンリオ・モリコーネ
だ！ ちがうよ『もりのね』だよ！ もういいよ、入ろう入ろう」
Part2
「こんちは！ お、いい匂いがするなあ」
「え？ わかる？ 昨日ちょっとシャンプー変えたのよ♡」
「違うよ、焼きいもの匂い」
「レディーに向かって「いも」だなんて失礼ね！」
「宏子のことじゃないよ」
Part3
「おおっ、こんなに大きいつぼでやいてるんですか！」
「うわーものすごく凝ってますね！ 触ったらカチンコチン」
「肩のツボじゃないよ！ 素焼きでできてるの」
「ひろ子はハリより お灸の方が好きなのよね」
「これも十分熱そうだよ、160℃から200℃になるらしいよ……って、だからそのツボじゃない！」
Part4
「なになに
今日の焼きいもは「綾産の紅はるか」です
か……」
「えっ『アヤさんのハルカ』？ 私の名前は『綾 宏子』だよ」
「オマエの名前じゃないよ サツマイモの品種」
「ハルカだなんて 私と言う女がありながら！」
「だから「紅はるか」っていう名前のサツマイモなの！」
Part5
「一本ください、いや二本だな」
「えー、ひろ子二人で分け合いたい！ シェアして欲しい、【拡散希望】」
「なんだよ【拡散希望】って！ 色々めんどくさくなるから一人一本ずつ」
「いーもーン」
Part6
「ひろ子みろよ、この焼きいも和紙でつつんであるよ」
「ワシも若い頃はならしたもんぢゃ」
「オマエ何歳だよ…… お？ なんか焼印が押してあるぞ」
「ふくろを開けたらフクロウが！」
「いちいちうるさいよ」
「宏子のダジャレも焼きが回ったわね」
「何が言いたいんだよ」
Part7
「宏子知ってるか？ フクロウってのは苦労しない『不苦労』っていって縁起がいいんだよ」
「ホウ」
「お、オマエの焼きいもには焼印三つついてるじゃねえか！」
「ホウホウホウ！」
「なんだよその返事は」
「だぁってぇ～フクロウだからぁ～ちょっと真似してみた♡（てへぺろ）」
「オマエといると苦労するよ」
Part8
「旨い！ ネットリして凄く甘いなあ！」
「まるで私達みたいね♡」
「いや、もう余計寒くなった」
「いいのよ、つぼ焼きいもは『冷めても美味しい』んだから♪」
おあとがよろしいようで……
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
