私は「ほめる焼きいも農家」ということで、つぼ焼きいもの作り方を綴っています。
サツマイモを洗うタイミング
このシリーズの第7回で書きましたが、自分で収穫したサツマイモは、泥付きのまま貯蔵しています。
この泥を落とすタイミングですが、できるだけ焼く直前にしています。なぜかというと、サツマイモも「風邪をひく」ことがあるからです。
特に真冬なんですが、水洗いをして濡れたままにすると、乾いている間にサツマイモが冷えてしまうことがあります。
繰り返し書いていますが、サツマイモは低温が苦手です。
これは焼きいも仲間から聞いた話ですが、翌日使う予定で前日の夜に水洗いしたサツマイモが、一晩で腐ってしまったそうです。
せっかくのサツマイモを腐らせてはとても残念です。なので、できるだけ焼く直前に泥を落とすようにしています。
洗ってある物はどうしているか?
できるだけ直前に洗うのを原則にしていますが、イベント出店の時はそれでは間に合わないこともあります。その場合は前日の昼間、暖かいうちに洗って乾かしている間に冷えにくいようにしています。
それから、仕入れたサツマイモは洗ってある状態で納品されています。
どちらのサツマイモも、夜は加温をしてある貯蔵庫に保管しています。そして、焼く当日の朝にこの貯蔵庫から出して使うようにしています。
サツマイモの洗い方
「サツマイモの洗い方」とわざわざ書くと特別な感じがしますが、普通です(笑)
水とたわしでゴシゴシするだけです。
ただ、あまり強い力でこすると、皮がむけてしまうので、力の加減に工夫が必要です。基本的には「やさしく、丁寧に」こすっていきます……なかなか言葉で説明するのは難しいですね。
洗っているとわかること
泥がついている状態では見落とすことがありますが、水洗いするときに気がつくことがあります。
サツマイモの皮に虫食いなどがあることです。
特に自分で栽培しているサツマイモは、農薬を使っていない関係で虫食いなどがあります。
実はサツマイモをかじっているのは昆虫だけでなく、ネズミ(ハタネズミ)もいたりします……
基本的には、虫食いのものは焼かないようにしていましたが、そうするとお出しできるサツマイモの数が足りないことがありまして、この虫食いの部分をそぎ落として焼いたものを試験的にお出ししています。
※店頭販売のみです。
そぎ落としのある部分の食感が若干硬いと感じるかもしれません。「わけあり」ということで割引をしております。
最後に端を切り落とす
洗い終わったサツマイモは、端っこ(いもの「しっぽ」と呼ばれるところ)を切り落として焼いています。
これは「しっぽの部分は筋っぽくて食べにくい」ことと、もうひとつ「切った時に傷んでいる場合があるから」という理由があります。
サツマイモの端を切った時に、中の部分が一部黒くなっていることがあります。あまりにひどいものは焼いてもおいしくありませんので、捨てることになります。おもに低温に当たったのが原因のようです……つまり、保存状態があまり良くなかったのですね。
個体差もあるので、なかなか全部というわけにはいきませんが、できるだけ歩留まりを落とさないように、ここでも工夫するところがあるのでした。