私は「ほめる焼きいも農家」ということで、つぼ焼きいもの作り方を綴っています。
これまではサツマイモの栽培について書いていましたが、今日からは「つぼ焼きいも」について書いていきます。
改めて、「つぼ」について
私が使っている「つぼ」は、買ったときにはわかっていなかったのですが、愛知県の常滑にある窯元で作られたもののようです。
(実は、一、二年ほど前にこの窯元が辞めるというのを知り合いからききまして、よく見たらおなじ壷のようでした)
素焼きで、重さは約30㎏あります。鉄製の円い台車の上に載っていて、これで平らな床の上なら転がして移動できます。
この壷は底のあたりに空気を取り入れる穴が開いています。
また、上部には針金が円形に張られていて、ここにソフトクリームのコーンを差すような「かご」を吊り下げます。
この「かご」には、アイスじゃなくてサツマイモを差します(当たり前)
ただ、サツマイモが小さいと隙間から落ちてしまうんですね。なので、小さいサツマイモを焼けるように針金を張って隙間を小さくしたり工夫してます。
壷の中で燃えているのは
つぼの中にはこんろがあり、そこで火を焚いて壷の中を温めます。この「こんろ」の燃料として、私は主にプロパンガスを使っています。たまに練炭を使うこともあります。
練炭
練炭というのは石炭の粉を固めたものです。昔は割と入手しやすいものでしたが、一時期これを使った事件が多発したために、入手が難しくなりました。
とはいえ、ホームセンターでは「練炭こんろ」と「練炭」が売られています。ホームセンターで売られている練炭は4号(4寸)というサイズで、これはひとつ200円くらいです。ただ、このサイズですと、つぼを温めるには火力が足りません。
つぼ焼きいもで使う練炭は一回り大きい6号(6寸)というサイズです。これはひとつが750円~1,000円くらいします。
練炭には「いっぱつ練炭」というものと、普通の練炭があります。
普通の練炭は着火させるために、裸の状態でガスコンロに乗せて20分程度焼きます。すると底の方に火がつくのでこれを練炭こんろにひっくり返して(火がついてる方を上にして)セットします。面倒ですし、危険性もありますね。
「いっぱつ練炭」は練炭の上部に火薬(着火剤)が仕込まれており、マッチやライターで着火します。あらかじめ練炭こんろにセットした状態から着火できるので、普通の練炭に比べると安全です。ただ、これも火が落ち着くまでに20分程度かかります。
どちらの練炭を使う場合も、火が安定した状態になってからつぼの中にコンロを入れます。
6寸の練炭こんろは大きくて重さもあり、かつ火のついた状態で持つことになるので、危険です。革手袋をはめてからコンロを持つのですが、軽く腕を火傷することはよくあります。
この練炭は一度火をつけると完全燃焼させるしかなく、途中で消して付け直す、ということはできません。また、振動で崩れてしまうことがあります。そうすると「こんろ」の下部にある空気穴がふさがってしまい火力が落ちてしまいます。
練炭が燃えている最中は火力があり、つぼは温まりやすいです、ときにはサツマイモの皮を焦がすくらいです。時間がたつにつれ火力が下がっていき、おおよそ12時間で燃え尽きます。
燃え尽きた灰は、こんろが完全に冷えてからこんろをひっくり返して取り出します。これは燃えるゴミあつかいです。
プロパンガス
実は、私の使っている「つぼ」は上に書いた練炭を使用する仕様になっていて、専用のこんろが付属していました。
ただ、焼きいも屋を開業する前に見に行った鹿児島のつぼ焼きいも屋さんではガスコンロを使っていまして、私の購入したつぼもガスコンロを使えるんじゃないかと思って検討しました。
結果としては、鋳物のこんろが使えることがわかりました。
プロパンガスは一瞬で火がつき、程よい火力なので重宝しており通常はこのプロパンガスのコンロを使っています。
ただ、強風が吹いたときなどに立ち消えすることがあります。この時の対処方法も、何回かの失敗を経て身に着けました。
長くなったので、ガスコンロを使った時の失敗談と、つぼの準備については次回に書きます。