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ポジティブ・フィードバック

今日は朝から妻は「子育て応援フェスティバル」で仕事、長男はどこかに遊びに行って、娘はクラブ活動というわけで、私と次男坊で「綾てるは図書館」に行きました。

図書館に行くと、子供たちはビデオコーナーに行くか、自分たちで思い思いの本を手に取って読んでいます。以前は「これ読んで」「次はこれ読んで」でたまに「おしっこ」となかなか忙しかったのですが、今はだいぶ楽になりました(笑)

金曜日に「ほめ達!」の講演をして刺激をもらったおかげか、今日は図書館の本で勉強をしました。「人を動かすメンタルコントロール術」という本で、これはスポーツのメンタルトレーナーをされている高畑好秀さんが書かれた本です。

アスリートたち―個人競技でも、団体競技でも―いかに選手の実力を発揮するか、そして日々のトレーニングで実力を高めていくか、これにはメンタルコントロールがとても重要です。この本では、様々なアスリートを育てるトレーナーや、チームの監督が選手たちにどのようなアプローチをしてその実力を高めていったかという実例がたくさん載っていました。

いくつか、特に気になったところをメモに取りました。

  • 立正大学ラグビー部の堀越正巳監督は、叱るときと誉めるときの選手の「姿勢」であることに気がついた
    • 選手を叱る(緊張)とき、全員整列(緊張)で直立不動(緊張)にさせてしまうと、「緊張」+「緊張」+「緊張」で心にブロッキング作用を作り出し反発心を生むので、円陣を組んでリラックスした状態を作り、選手の肩に手を置くなどのボディーコンタクトを取りながら叱ると、心に届くようになった。
    • 逆に誉めるときは、「リラックス」+「リラックス」だと調子に乗りすぎてしまうので、あえて整列や直立不動の姿勢で選手の中に緊張状態を作ってから誉めるようにする。
  • マラソンの小出義雄監督は、選手によって接し方を変えていた
    • 有森裕子選手は「自分が思うようにやりたいタイプ」なので監督が一歩下がって常に彼女を立てる
    • 鈴木博美選手は「常に相手と対等でいたいと思うタイプ」なので、監督が彼女と相談をしながら物事を決めていく
    • 高橋尚子選手は「相手の言うとおりにやっていきたいタイプ」なので、自分が上に立って決めたことを指示していく(その方が迷うことなく行動できるから)
  • サッカーのジーコ元日本代表監督は、選手のタイプによって説明の仕方を変えていた。体感覚で表現したほうが理解しやすい選手には、擬音を使った感覚的な言葉で指導し、理論派の選手には論理的に詳しく説明していた。
  • スキージャンプの八木弘和コーチは、船木選手の飛形を直させるために、当時オシャレに興味があった船木選手にまず「自分に最高に合ったおしゃれで、自分を表現してみろ」とアドバイスをした。そして「自分を表現すること」に強く意識が向き始めた船木選手に対して「最高にカッコイイジャンプをしてみないか」と声をかけ、さりげなく飛形について切り出した。

初めて「ほめ達!」に接する方には、極々シンプルに「口癖を使います」、「感謝の言葉もほめ言葉ととらえています」というようにお伝えしていますが、本当の応用編になっていくと、当然相手とのコミュニケーションになりますから、相手をよく見て(言い換えると「価値を発見」して)、適切な手段で「伝える」ことも必要になってきます。

なかなか、自分一人ではこういう経験はできませんから、今日読んだ本は実例がたくさん載っておりとても勉強になりました。

……あ、題名のことを書いていないですね。

「フィードバック」はもともと電気電子工学、制御工学の用語で、「出力の一部を入力に戻すこと」という意味です。ビジネスでは「結果を原因に反映させる」という使い方になります。「お客様の声で商品やサービスの内容を改善していく」ことが「フィードバック」というわけですね。

工学の世界では「フィードバック」には二つのやり方があります。一つは「ネガティブ・フィードバック」、もう一つは「ポジティブ・フィードバック」です。

電子工学では「増幅器(アンプ)」という回路があるのですが、増幅回路に意図しない入力(ノイズ)が混入した時にそれを取り除くために「ネガティブ・フィードバック」という手法を使います。

その一方で「発振器(オシレーター)」という回路を作るのは「ポジティブ・フィードバック」です。これはいわば「勝手に動く」というものです。

今回の勉強は、「しゃべり方をこうしよう」「構成はこう言う風に直そう」といういうような反省とは違い、次にいつ使うかもわからないネタの仕入れです。フィードバックで言うと、「しゃべり方を直す」「構成を見直す」というのは「ネガティブ・フィードバック」、「あたらしいネタを仕入れる」は「ポジティブ・フィードバック」かなと思い、題名にしたという次第でした。

というわけで、今日は以上です。

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