つぼ焼きいもお取り寄せ

冷蔵の宅配便で全国にお届けしています!

詳細はこちら

リハビリ

入院中の話
歩く練習(後ろに写っているのがU先生)

入院して一週間後から、リハビリテーションが始まりました。テレビなどを観ていて「リハビリを『頑張る』」つまり「リハビリというのは辛く苦しいことだ」みたいな先入観がありましたが、実際はどうだったか、今日はそんな話です。

理学療法士のU先生

私の入院している病院では、毎週一回、部長回診というのがあります。整形外科部長以下、整形外科に所属している医師が揃って各患者のベッドにやってきて、主治医の先生が患者の状況を説明し、それに対して部長がコメントしたり、患者に声をかけたりします。手塚治虫さんの「ブラックジャック」という漫画で大名行列みたいなシーンが出てくるのですが、本当にそんな感じです。やっぱり10人前後のお医者さんがそろってやってきて、特に若い先生はちょっと緊張気味に説明したりするので、その雰囲気も自分に伝わってきて、正直なところ私はちょっと苦手でした。

その、部長回診、私が入院して初めてあった部長回診の時に、お医者さんの中にちょっと雰囲気の違う人、どちらかというと、回診に対する感心が薄いというか、あんまり積極的じゃないな、という感じで印象に残ってる人が一人いました。

翌日の夕方に私のベッドにやってきたのがその人、理学療法士のU先生でした。今にして思えば、医師ではないですし、所属もちがうのでちょっと雰囲気が違ったのですね。(ちなみに、リハビリテーション科に所属する理学療法士も、部長回診に加わるときがあるようです。

私の入院していた病院では、患者ごとに理学療法士も担当が決まってます。私も毎日、U先生の指導でリハビリをしました。U先生は私と波長が合うというか、話が面白く冗談を言い合ったり、また私の心配事を聴いて、特に怪我の状況に関してはきちんと説明もしてくださる方でした。

入院中のリハビリメニュー

実際にやった、リハビリのメニューを紹介します。リハビリは病室でやるもの、病棟内でやるものと、リハビリ室に移動してやるものがありました。

両手合わせ(自主トレ)

これは入院してすぐ、ベッドから動けない間にやってたことです。両方の手のひらを胸の前で合わせて、互いに思い切り押しあうという筋トレです。大胸筋を鍛えるトレーニングだそうですが、たまたま憶えてたので、気晴らしにやってました。

足上げ(自主トレ)

これもベッドから動けない間にやってたことで、比較的自由に動く左足を、膝を伸ばしたまま持ち上げるという運動です。右足は鉄骨が重いのと、力尽きてガタッと降ろして大変なことになってはいけないと思って持ち上げることはしませんでした。

足指曲げ延ばし

これは主治医の先生から、「出来るだけやってください」と言われてしたものです。名前の通り、足の指をグーのように曲げたり、逆にそらしたりする運動です。

実は、リハビリ室に移動してのリハビリが始まったとき、U先生から「足をパーにしてください……不器用!(笑)」と繰り返し言われてしまいまして、ムキになって練習してたら、できるようになりました。

右脚を「パー」に開いた状態……あんまり開いてるように見えませんね(笑)

車椅子

U先生が初めて病室に来られて、一番に教えてもらったのが車椅子の乗り方です。元気な時なら何ら問題なくできることですが、右足に鉄骨が立った状態、それをどこかにぶつけてはいけない状態で乗り移りをするには「乗り方」があります。

自分が乗っていた車椅子の写真がないので、似たような車椅子の写真をこちらのサイトより拝借いたしました

この乗り方自体は言葉で説明するのが難しいので省略しますが、大事なこととして教わったのは「主体的になること」でした。どういうことかというと、ベッド⇔車椅子の乗り移りやトイレでは看護師さんに介助をお願いすることになりますが、その時に任せっきりするのではなく、自分から「○○してください」と具体的に依頼をするということです。この具体的に、というのは「車椅子をこの向きでここまで寄せてください」とか「病衣をたくし上げてください」というくらいの細かさです。

ウエイト・トレーニング

これは、錘が入っていて腕や脚に巻くバンドを使って、腕や胸の筋肉を鍛えるものでした。
具体的には、このバンドを両手で握り、

  1. 座った姿勢で二の腕を下げ、肘を曲げ延ばす
  2. 座った姿勢で肘を曲げ、左右交互に腕を真上に突き上げる
  3. 仰向けに寝た状態で両腕を広げ、横から胸の前の方に腕を持ち上げる
  4. 仰向けに寝た状態で「気を付け」の姿勢から、肘から先を真上に持ち上げる
  5. 仰向けに寝た状態で両腕の肘を曲げ、左右交互に腕をまっすぐ前に突き上げる(正拳突き)

というものです。トレーニングパンツがない状態では座った姿勢、トレパンを履くようになってからは寝た姿勢で、30回ずつ行いました。

腕の筋トレ(座った姿勢)

腕の筋トレ(寝た姿勢)

このトレーニングは後々松葉杖を使う時に、自分の体をしっかりと支えられるように、腕を鍛えるという意味がありました。ただ、途中からは「おまけ」といって、本来ならもうしなくてもよい状態になってからも続けていました。

この「おまけ」には、膝を曲げて仰向けになり上半身を持ち上げる「腹筋」というのもありまして、他のどんなリハビリメニューよりも、これが一番キツかったです(苦笑)

膝の曲げ伸ばし

これは病室のベッドにいるときに主治医の先生から言われたことと、リハビリ室に行ってやるようになったことの二種類があります。

ベッドにいる間からやることというのは、膝を軽く伸ばした状態から、力を入れてさらに伸ばすというものです。太ももの筋肉がしっかり硬くなるまで力を入れること、というのがポイントでした。

リハビリ室では、あおむけに寝た状態で天井から吊るされたヒモに脚をかけ、膝の部分を吊るしているゴムを引きながら膝を伸ばすという運動になりました。二回目の手術の前までは左脚だけ、手術が終わって右脚の鉄骨が外れたら両脚で行いました。ポイントとしては、腰を浮かさない、上半身で踏ん張らない、ということでした。8分間行います。

足の筋トレ(汚い絵でスミマセン)

両足開き

リハビリ室では、膝の曲げ伸ばしに引き続き(脚を吊るしたまま)、両脚を開く運動がありました。両方の膝をゴムでゆるく縛り、膝を伸ばした状態で脚を開きます。これも二回目の手術前は左脚だけを動かし、手術後は両脚を開くようになりました。これも8分間繰り返します。

平行棒

これは掴まって立ち上がることから始まったのですが、回復の状態で色々内容が変わってきました。

まず最初の段階は、左脚だけで立ち上がるというものです。これも最初は、たった4~5回。30秒も立ってたら右脚がむくんでジンジンしてきます。左脚一本でもしっかり立てるようになることと、右足に血が溜まってくる感覚に慣れるということでした。

次に、平行棒を伝って左脚だけで移動する練習になりました。これがしっかりできるようになると、松葉杖が使えるようになるということでした。

二回目の手術が終わって三週間後から、いよいよ右足に体重を掛けるようになりました。まずは全体重の3分の1まで。そのあとは一週間ごとに、2分の1 → 3分の2 → 全体重と、かけて良い体重が増えていきました。

この「3分の1」とか「2分の1」というのは、どうやるかというと、体重計を二個用意して、片足ずつ乗せて数値をみるという、とてもシンプルな方法です。ただこれも、最初はおっかなびっくり。よくU先生から「もっと大胆にやっても大丈夫」と言われてました。

右足に体重を掛けられるようになってから、左右それぞれの足にかける体重を移動させるという練習も始まりました。これも大変というか、やっぱり「恐々」になるんですね。痛いとかいうのはなかったですが、気持ち的にはちょっと大変でした。

(わかりにくい絵ですが……)

また、平行棒につかまりながら両脚で歩く練習もしました。初めは両手で両側の平行棒を持ちながら、体重の3分の2まで掛けて良くなった段階では左手だけ平行棒をもって歩く練習になりました。

右足に体重の半分まで掛けられる、つまりまっすぐ立てるようになった時点で、松葉杖を使っての歩く練習が始まりました。松葉杖は手で握る部分で体重を支え、脇の下で挟む部分は、杖がぐらぐらしないようにしっかり挟んで支点にします。脇の下で体重は支えないのだそうです。

右足に体重の3分の2まで掛けて良くなったら、松葉杖が左側の一本になりました。右足と松葉杖を同時に出して歩きます。

松葉杖を使いだしてすぐにゴールデンウイークに入りました。この間はリハビリ室は休みになるので、松葉杖を借りて病棟内で歩く練習を毎日しました。

また、連休の終わりごろ、一日だけ外出許可をもらって自宅に帰りましたが、病院の外は段差が沢山あります。自宅も玄関は段になっています。というわけで、スロープの上り下り、階段の上り下りの練習もしました。スロープや階段を歩くときは「行きはよいよい、帰りは悪い」といって、昇りは左脚から踏み出し、降りは右脚から踏み出します。

右足に全体重を掛けて良くなると、松葉杖から、一本杖になりました。一本杖はよくお年寄りが使ってるやつですね。こちらも、片松葉杖と同様、左手に持ち、右脚と同時に前に出します。これでも、スロープや階段の練習を少ししました。

退院する一週間前くらいから、杖無しで歩く練習もしました。大きな鏡で、姿勢を確認しながら歩いていたのですが、退院するまではなかなか上手に歩けませんでした。結局、杖を持った状態で退院しました。

過流浴(かりゅうよく)

「バブルバス」とも呼ぶようです。これは下から泡が噴き出る小さい浴槽に膝から下を15分間浸けるだけのものです。これは二回目の手術が終わって副え木が外れたら、退院するまで毎回リハビリの一番初めにしていました。

U先生からは「ビキニの水泳パンツを用意するように」と冗談を言われてたのでいったいどんなものかと思っていましたが、実際見てみるとこじんまりとした足湯でちょっと拍子抜けでした(笑)

足首の曲げ伸ばし

上に書いた過流浴の後、リハビリ室で仰向けに寝て、足首をそらせたり、伸ばせたりしました。足湯の後なので足首の筋が柔らかくなって、あまり突っ張る感じもなくできるようになります。

そしてこのあと、U先生が手技で右足首の曲げ伸ばしをします。これはちょっとだけ痛かったです。

タオルギャザー

これは、足の下にタオルを広げて敷き、足の指をつかってかかとの下にタオルをたくし込むという運動です。5分程度やってました。

これも私には「おまけ」がついており、左足でも同時にやりました。同時にやると、明らかに左足の方が上手にできるとわかります。

さらに、タオルの先にはウエイトが置かれました。ウエイトがあるとたくし込みにくくなります。これは最初のうちはきついのですが、何回か繰り返していくと床の摩擦係数が下がるようで、だんだん楽になりました。つまり、床磨きになってたんですね。

タオルギャザー

スクーターボード

これは取っ手の無い台車です。椅子に座った状態で両足をこの台車に乗せて、膝から下で前後に動かします。これも足首を前後に曲げ延ばす運動だと思います。これも5分程度やりました。

バランスボード

これは空気が入っていてぶよぶよとしたゴム製の円盤です。両脚を載せて適当に踏み込みます。足首を前後だけでなく、左右、斜め方向にも動かすことになります。5分程度。

起立板

これはつま先が上を向いている板の上に、10分ほど立つというものです。そのままですと後ろにひっくり返りますので、壁に背をつけて立ちます。このリハビリが始まった当初はつま先の上りの角度が少なかったのですが、日を追うにつれてこの角度が大きくなりました。

起立板

退院後、今でも通っているK整形外科にもこの起立板はあるのですが、三回目の手術が終わるまでは、やらないことになりました。なぜかというと、三回目の手術で抜く予定になっていたねじが折れてしまう心配があったからです。

自転車

一本杖で歩くようになってから、一日のリハビリの締めに、エアロバイクを10分間漕ぎました。これは当初、体力回復のためかなと思ったのですが、太ももの筋トレにもなるということにK整形外科で気が付きました。

このエアロバイクは、消費エネルギーによって「キャンディー」「カフェオレ」というように、食べ物が表示されます。25kcalまでは「キャンディー」で、25kcalを超えると「カフェオレ」が表示されます。

噂によると、カフェオレの次が「マグロの寿司」で、さらにその次が「シシャモ3匹」だそうで……シシャモになったら多分自分は止めるだろうなと思います。

かかと上げ(自主トレ)

これはゴールデンウイークでリハビリ室が休みの間のメニューとして、U先生から教わった自主トレです。

椅子に座った状態で、足を組み(右脚の上に左足を乗せる)右足のかかとを上げ下ろしする運動です。30回やります。

かかと上げ

いまでもやればいいのですが、すっかり忘れてました(苦笑)

リハビリの時間

こんな感じでリハビリをしていたので、時間は結構長くやっていました。

リハビリの開始当初は30分でしたが、そのうち1時間になり、最終的には2時間になりました。朝10時から始めるのですが、終わりの時間はお昼休みにかかる感じ。最後まで残っている患者は私を含め一人二人くらいになっていました。

退院してからのリハビリ

退院した後は、隣町にあるK整形外科でリハビリを続けています。

入院中は月~金の毎日でしたが、いまは週に2~3回通っています。

K整形外科にもN先生という理学療法士の方がいらっしゃいまして、専属でトレーニングとマッサージをしてくださいます。入院していた時と違うのは、N先生による手技が多いことです。いまでは歩けるようなってますので、(おそらく右足首をかばって無理をしている)右ひざ、腰の痛みを和らげてもらってます。また手技の後は右足首の可動域も広くなります。

入院していた病院と大きく違うのは、ここでは毎回、足首が曲がる角度を測定する、ということです。毎日リハビリに行っているわけではないので、その間に状態がどう変わっているのかを確認しているのかなと思います。

足湯

入院していた病院での過流浴に相当するものです。バケツにお湯を汲んで右脚を浸けます。この後に、手技があります。

平行棒

トレーニングとしては、バランスボードに右脚だけを載せ、両手で体を支えつつ右脚を踏み込むという事をします。

また、バランスボードを外し、立った状態で両足のかかとを上げ下ろしするという運動もしています。

起立板

三回目の手術で、すねの二本の骨をつないでいたねじを取り外したあとから始まりました。入院していた病院とは違い、1分間立って平行棒に移動し、かかとの上げ下ろしをする、という組み合わせを5セットやります。

ゴムボール

これは毎回ではないのですが、右足をゴムボール上に載せて、足の裏でぐりぐりとします。バランスボードのように、足首を色々な方向に動かします。

乾電池つかみ

これは一時期やっていました。右脚の指を使って、床にばらまいた乾電池(単3、単4)をつかみ、かごに入れるというものです。

リハビリの時間

K整形外科でリハビリは、正味で1時間~1時間半くらいやってます。これも割と長いほうのようです。予約制ではないので、待ち時間が1時間くらいになってしまうこともあり、実際は午前中いっぱい使う感じになっています。

時間はかかるが、つらくはない

というわけで、自分がやってきたリハビリテーションについて、まとめました。自分で書いておいて、結構いろんなことをやってるなと思いました。

あまり無理のない範囲、痛みを感じない範囲でやっているので、それほど辛いと思ったことはありません。時間はかかりますが、これからも地道に続けていこうと思っています。

タイトルとURLをコピーしました